ホーム >> 宮崎県測量設計業協会だより >> 2009年目次 >> 特別寄稿 [ 永野征四郎

宮崎県測量設計業協会だより

目次ごあいさつ | 特別寄稿 | 資格を取ろうBrushupTOPICS

特別寄稿

山田 康夫(県土整備部)後藤 仁俊(農政水産部)坂口 博美(県議会議長)
|永野 征四郎(建設産業団体連合会会長)|中澤 隆雄(宮崎大学工学部教授)
永野征四郎 「性急な入札制度改革の断行に思う」


宮崎県建設産業団体連合会 会長  永野 征四郎
 

はじめに、このたびの性急な入札制度改革におきまして、一般競争入札が拡大され、価格競争が激化することとなり、建設産業界全体の疲弊が深刻化しております。

既に御承知のとおり、昨年9月2日に我慢の限界を超えたとして、県民参加型の「宮崎県建設関連産業危機突破総決起大会」を宮崎市役所下の大淀川河川敷におきまして開催したところであります。

それでは、入札制度改革に関しての今までの経緯について、順を追って述べてみたいと思います。

1.知事のマニフェスト

新知事のマニフェストで、新たな入札制度改革を掲げ、

  • 内部通報制度の整備と職員の懲罰強化
  • 県庁幹部の関係業者へ天下りの制限
  • 指名競争入札を廃止し、一般競争入札の導入
  • 電子入札、郵便入札の活用
  • 行政の積算能力を高め価格を下げるコンストラクションマネジメントの活用
  • 日本一高い落札率を下げる検討
  • 入札改革の結果として投資的経費の1割削減を目標
以上のことを実行に移すべく、 県ではパブリックコメントを広く県民から募り、この1年で、一挙に250万円以上の全ての工事について一般競争入札制度に移行してしまいました。

2.業界の行動

県建設産業団体連合会は、県建設業協会の正・副会長と一緒になって、平成19年2月県土木部長室でパブリックコメントが締め切られる前に「新たな入札制度改革について」意見交換を行なっています。3月には再び同じメンバーで、土木部長室において部長と「入札制度改革に関する基本的な考え方と県財政改革推進会議結果との関連について」の意見交換を行ないました。
なお、要望書につきましては、十数回に亘り知事及び県議会議長へ提出し、善処方お願いして参りました。

3.要望事項の内容

その内容は、地元業者への優先発注と一般競争入札の拡大は2~3年をかけて段階的に実施すること、また入札参加エリアの検討、予定価格の事前公表から事後公表への全面導入と総合評価落札方式の早期導入、そして最低制限価格の少なくとも85%以上の引き上げ等を要望して参りました。

4.要望に対する緩慢な対応と相次ぐ倒産

結果として、平成19年10月に漸く最低制限価格が80%~85%に引き上げられました。また平成20年4月から総合評価落札方式も、全体で250件程度試行拡大されました。そして平成20年10月からは、一部の工事について念願の事後公
表へと試行が開始されたところであります。
しかしながら、その間、建設産業界が抱える諸問題の要望に対するスピーディな対応がなされず、一般競争入札の拡大は、積算能力のない不良・不適格業者の応札や低価格受注を助長する結果となり、不調・不落やくじ引きで落札業者が決まるという前代未聞の事柄が生ずることとなりました。そのため中堅の優良業者までが受注の見通しや、経営計画が立たず、平成19年度は、対前年度比1.6倍の52社の倒産が発生し、また平成20年度においても昨年度同様のペースで増えており、県内最大手の会社を含め、平成20年12月末までに45件の倒産が発生しております。

5.終わりに

ともあれ、予定価格が事前公表から事後公表へと転換がなされ、今後は、各地域で雇用や経済に貢献している地元中小業者が優先的に受注できるよう、2千万円未満の工事については土木事務所単位にエリアを見直すことや、最低制限価格の85%以上の再引き上げを目指して、中央公契連モデルの見直しの働きかけ、さらには総合評価落札方式における企業の地域社会貢献度のウエイトを高くするなどの見直しが必要になって参ります。

以上、入札制度改革に関する経緯を述べて参りましたが、資材業関係や専門工事業の皆様にしわ寄せが行かないよう相互理解のなかで一致団結して邁進して行かねばなりません。どうか、これからもこの厳しい難関を打破すべく努力して参りますのでよろしくお願いします。

最後に、宮崎県測量設計業協会がますます発展されますとともに、会員の皆様方のご健勝をお祈り申し上げます。

 
山田 康夫(県土整備部)後藤 仁俊(農政水産部)坂口 博美(県議会議長)
|永野 征四郎(建設産業団体連合会会長)|中澤 隆雄(宮崎大学工学部教授)